エアコンの冷房と除湿の違いは？｜三菱霧ヶ峰の電気代やおすすめ除湿機能付きエアコンも

日本の夏は高温多湿なので、夏場はエアコンの冷房が欠かせません。エアコンの除湿機能を使うと、湿度が高い梅雨時も快適に過ごせますが、暑くて湿度が高い日はどちらを使うか悩みますよね。除湿には弱冷房方式や再熱除湿方式の2種類ありますが、どのような効果があるかご存知でしょうか。

エアコンの冷房と除湿の仕組みは基本的に同じですが得意とするところが違います。適材適所で使い分けないと電気代の無駄にもなります。また状況によってはエアコンより除湿器を使う方が賢明です。

この記事では除湿と冷房の適切な使い分け方をはじめ、除湿機能の仕組みについて解説します。三菱エアコンの霧ヶ峰など、除湿機能が優秀なエアコンのおすすめ商品や、おすすめの除湿機能付きエアコンも紹介します。ぜひ参考にしてください。

エアコンの冷房は、部屋の温度を下げる機能です。室内機が室内の空気を取りこむと、配管の中を巡る冷媒が空気の持つ熱を吸収します。冷媒が吸収した熱は室外機で取り除かれ、屋外に放出されるので室内には戻りません。

一方で、湿度を下げるのが除湿機能です。こちらはエアコン内部に室内の空気を吸い込んで冷却し、空気中の水分を取り除いてから空気だけ室内に戻します。

除湿には再熱除湿と弱冷房方式の2種類あり、どちらも湿度を下げる効果は同じです。 ただし、再熱除湿は部屋の温度はあまり下がらないのに対して、弱冷房方式は温度が少し下がるといった違いがあります。

除湿機能は、湿度が高い部屋の空気から水分を取り除いて空気を乾燥させる機能です。水分を取り除くプロセスについてもう少し詳しく記します。

1. エアコンの室内機が湿度を含んだ部屋の空気を取り込む
2. 熱交換器で取り込んだ空気を冷却する
3. 空気中の水分が水滴になる
4. 熱交換器に付いた水滴をホースで排出する
5. 水分を取り除いた空気を部屋に戻す

空気は温度が高いほど蓄えられる水分量が増える性質があるため、温度が下がると持ちきれなくなった水分を放出します。除湿機能はこの物理現象を利用したものです。

弱冷房除湿は、温度を下げて水分を取り除いた空気をそのまま部屋に戻します。普通の冷房機能をさらに弱くしたものとイメージしてください。エアコンは目標の湿度になるまで運転を続けます。

このタイプは、消費電力が少ないのがメリットです。しかしエアコンの温度設定が室外より高いと使えません。そのため梅雨時は力を発揮しにくいので気を付けましょう。また冷たい風が吹き出すため、人によっては寒いと感じる場合があります。

こちらはエアコン内部で冷却して水分を取り除いた空気を、温め直してから部屋に戻す除湿機能です。このタイプのエアコンには室内機に入るパイプが2本あり、片方には冷たい冷媒を、もう片方には温かい冷媒を流して温度と湿度の両方をコントロールしています。

電気代はかかりますが、外気温がそれほど高くない梅雨時に力を発揮するの機能です。また室温が下がらないので寒さは感じません。

ハイブリッド除湿は、温度を下げて水分を取り除いた空気を、室内の温かい空気と混ぜてから部屋に戻します。

冷やした空気をヒーター等で再加温しないので、電気代が抑えられます。また有名なエアコンメーカー「ダイキン」は特に優秀なハイブリッド除湿を搭載したエアコンを製造していますので、興味がある方はチェックしてください。

エアコンの冷房と除湿は電気代ではなく、目的に合わせて使い分けるのが大切です。実際、冷房と除湿で電気代に大きな差はありません。しかし除湿については除湿タイプによって電気代に大きく差が出ます。冷房と除湿の電気代は「ハイブリッド除湿≒弱冷房除湿＜冷房＜再熱除湿」の順で高くなります。

たとえば三菱の霧ヶ峰・14畳用の場合、冷房の時は消費電力は540Wなのに対し、除湿の時は消費電力960W・電気代16.2円/hです。再燃除湿が高額になるのは空気を冷やすだけでなく、冷媒が運んできた屋外の熱で温め直しもするためです。電気代を抑えたいなら「弱冷房除湿」を採用したものを選びましょう。

エアコンの電気代や節約方法については、以下の記事で紹介しています。

エアコンの冷房と除湿は上手に使い分けると電気代の節約になるだけでなく、快適に過ごせるようになります。正しい使い分け方は以下の通りです。

• 非常に暑い時・・冷房
• 気温は低いが湿度が高い時（梅雨時など）・・・再燃除湿
• カビが気になる時・・・再燃除湿
• 高温多湿の時・・・弱冷房除湿

エアコンは湿度を下げたい時は「除湿」、温度を下げたい時は「冷房」と先に使用目的を決めてから電源を入れるようにしましょう。しかし気温や湿度は地域によって違います。エアコンは居住地の環境に合った冷房除湿機能を搭載している商品を選ぶようにしてください。

エアコンの除湿は、室温より低い温度に設定しないと機能しないようになっています。除湿が上手く効いていないと感じたら、除湿を止めて冷房に切り替えましょう。他には、エアコンの風量を弱くする方法もあります。

また弱冷房除湿は外気温が約21°C未満の環境では機能しません。もしこの環境で除湿を使う必要がある場合は、再熱除湿に対応できるエアコンが必要です。

部屋の除湿をする時は換気扇を止め、外部に接している窓・室内の扉・ふすまを閉めましょう。部屋に外気が入る隙間があると、せっかく除湿をしていても外部からどんどん湿度が流入します。

この状態になるとエアコンはいつまでも除湿運転を続けます。電気の無駄遣いになるだけでなく、エアコンの寿命を縮める原因にもなります。

フィルターの汚れは除湿だけでなく、冷暖房や送風の力も低下させます。エアコンのフィルターは想像以上に汚れやすいので、2週間に1度はお手入れするのが理想です。フィルター掃除の時間を取れない方は、「自動掃除機能」を搭載しているエアコンをおすすめします。

「自動掃除機能」搭載エアコンについては以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひあわせてご覧ください。

梅雨の時期や寒い冬などは、洗濯物を室内干しする日が増えますよね。外干しよりも乾きにくいのでなんとか早く乾かしたい場面です。ここでは、エアコンの除湿機能が室内干しに効果あるのかを解説します。

室内で洗濯物を干すと、部屋がもやっと感じますよね。これは、濡れた洗濯物に含まれていた水分が蒸発し、部屋の空気に含まれる水分量が増え湿度が高くなったためです。部屋の湿度が高いとカビやダニが発生しやすくなり、また壁紙や建材など建物そのものを傷める原因になります。人にとっても不快な環境です。

室内干しで部屋の湿度が上がると上記で説明したようなリスクが高まるので、換気や除湿が必要です。換気が気持ちいい季節ならいいですが、花粉の季節や冷暖房で部屋の温度調整が必要な時期は、窓を開けっぱなしにはできませんよね。

そのような時期には、エアコンの除湿機能を使って湿気対策をしましょう。エアコンの風が直接あたる場所に洗濯物を干すと、乾くまでの時間が短縮できます。サーキュレーターや扇風機の活用もおすすめです。風で飛ばした水分をエアコンで除湿すれば、部屋の湿度が下がり洗濯物も早く乾きます。

部屋の湿気を抑えるには、まず通気性を高めるのが重要です。脚付きの家具を選んだり、風の流れが作りやすい配置を心がけましょう。ついつい閉め切ってしまいがちな収納スペースや、湿気が籠りがちな洗面所などの水場は、定期的に扉を開けて風を当てるようにしましょう。

定期的な換気が難しい場合は、市販の乾燥剤・重曹・炭などを使って除湿効果を高めるのもおすすめです。エアコンの除湿機能の原理を応用で、水を入れて凍らせたペットボトルを洗面器やトレーに載せて部屋に置く方法もあります。

部屋の除湿を中心に考えている人には、除湿器がおすすめです。除湿力自体はエアコンの方が優れていますが、エアコンは冬場の除湿には使いにくい面があります。

しかし除湿器なら冬場に効果を発揮する商品もあり、押し入れの中など限定的な空間での使用も可能です。以下の記事では、除湿器について詳しく解説しているのであわせてチェックしてください。

夏は温度を下げたいか湿度を下げたいかによって、冷房と除湿をうまく使い分ける必要があります。またエアコンの除湿機能はタイプがありますので、その特徴をよく理解して適切な商品を選びましょう。適切な使い分けで厳しい夏を乗り切ってください。