エアコンの結露がひどい！原因と対策は？｜水滴や水漏れ・結露の防止方法も

熱中症を予防し暑い夏を乗り切るには、エアコンは欠かせません。寝苦しくて朝ｍでつけっぱなしにしたり、除湿のために長時間利用したりする場合が多いですが、その際に起こりやすいトラブルで一番発生頻度が高いのがエアコン室内機で発生する結露です。

エアコンの吹き出し口から水滴が垂れてきたり、エアコンがカビ臭くなったりする現象は、エアコン内部の結露が原因です。ひどい結露が起きると、水滴トラブルだけでなく、フィルターのカビによって体調にも影響を及ぼしかねません。

この記事では、エアコンで結露が発生する原因と正しい結露対策、結露が起きた際の掃除方法などを紹介していきます。結露そのものや、結露が原因で起こる大きなトラブルの予防として、ぜひ参考にしてください。

空気中には、私たちの生活の中には目に見えないほどの細かな水分がどんな場所にも含まれています。空気の温度によって含める水分量は違い、冷たい空気よりも暖かい空気の方が保持できる水分量は多いです。

たとえば30度の空気よりも20度の空気の方が保持できる水分量が少なく、この性質が結露の原因です。結露は、水分量の多い空気（湿度が高い空気）が冷やされたときに、保持できなくなった水分が水滴としてあらわれるために発生します。

一番わかりやすいのがビールジョッキに水滴がつく仕組みで、夏場の温かく湿った空気がジョッキ表面で冷やされて結露が起こります。鏡に息を吹きかけて曇るのも息の中の水分が鏡によって冷やされるからです。

梅雨から真夏にかけての時期、冷房機能をフル活動させているために結露が発生しやすいです。ジメジメした時期に冷房機能を使ってエアコンの室内機からどんどん冷風を噴射するとエアコン本体も冷風でかなり冷やされます。

エアコンの冷房機能を全開にして室温を18度以下にしたとき、室内機のパーツは表面温度が5～10度まで下がるといわれています。結露ができるメカニズムは、エアコン本体と空気中の水分が接触した時に急激に冷やされて水滴に変わる仕組みです。

エアコン内のフィルターは湿度に弱いため、結露をほっておくとカビの原因になります。カビが付いたままエアコンを作動させてしまうと体調不良やシックハウス症候群などの病気の原因になるので、結露が発生したと感じた時はなるべく早くフィルターの掃除をしましょう。

エアコンの内部にカビが発生すると自分での対処が難しくなります。エアコンの内部をきれいに掃除してもらったり、吹き出し口なども掃除したり大がかりな掃除をしなければなりません。なのでエアコンの内部はこまめに掃除をし結露がない状態に保ちましょう。

もし、エアコンの内部にカビが発生した場合は、業者の人に連絡し点検してもらいましょう。内部のフィルター以外にも吹き出し口などの室外部分も点検してもらい、吹き出し部分にも異常がないか見てもらうのがおすすめです。自分で何とかしようと思うとかえって悪化してしまったり、フィルター本体を傷つける可能性があります。

今販売されている各ブランドメーカーの最新エアコンは結露しない、結露対策機能が備わっています。開発段階から99％の結露対策機能が織り込まれているので、どれだけ冷房機能で室温を下げようがエアコン本体に通常、結露は発生しない仕組みになっています。

結露は梅雨の時期から真夏に発生しやすいです。理由は、1年間の中で一番湿気が多くジメジメしている時期だからで、雨もよく降り洗濯物など部屋干しの人も多いですよね。

外もじめっとした環境で家でも洗濯物などで湿度が高く空気中の水分量が多いです。そのため梅雨から真夏の時期に結露が特に発生しやすいといわれています。

真夏に高地のキャンプ場でテント泊していると、朝方雨が降っていないにも関わらず濡れた経験はありませんか。それは水蒸気を含んだ空気が夜間に冷やされて、芝生の草に水滴となって現れている現象です。朝露と呼ばれ、原理は結露と同じです。

排水管の方向によってはわざと傾けて設置する場合もありますが、一般的にエアコンは地面と平行に設置されています。傾いているとエアコンの室内機内部にある排水ホースから室外に出ていくはずの水が水滴となってこぼれてくる可能性があります。

傾いているか確認したいときは水平器を使い、もし傾いている場合は業者に連絡しましょう。購入した店舗や設置した業者に連絡すれば無償で対応してくれるケースがあります。

エアコンを使っていくうちにフィルターにほこりや汚れが付着します。ほこりや汚れがついたまま使っていると風量が弱くなり冷房が効きづらくなり、電気代が上がる原因です。

また、ほこりなどで風が遮られるので吹き出し口に冷気がたまり、結露や水滴が発生します。エアコンが効きにくいなと感じたらすぐに掃除をしてフィルターをきれいにしましょう。

エアコンを購入する際は何畳用か選んで購入するのが一般的です。6畳用の冷房で無理に10畳や12畳を冷やそうとしてもなかなか冷えません。製造段階で冷房機のレベルが決まっているからです。

エアコンのほとんどに温度センサーが付いており、なかなか冷えない部屋では長時間フルパワーで活動します。冷風が長時間あたったエアコンの吹き出し口は通常の稼働よりもキンキンに冷えており空気中の水分と接触すると結露と大量の水滴に変化します。

対処法は、無理に部屋を冷やそうとしていないかを確認し、性能を上回っている場合は、設定温度を少しずつ上げてみましょう。

エアコンの風量が弱いと結露が発生する可能性があります。弱風量だと冷気を部屋全体に送れないのでエアコンが全力で稼働し冷風をガンガン出す状態になるため、吹き出し口の冷えすぎが結露の発生原因となるのです。結露予防の対処法として風量を上げましょう。風量を上げて部屋全体に冷風を効率よく循環させると解決します。

ドレンホースは経年劣化によって内部がつまり、表面が破れる不具合・破損が発生します。ドレンホースは排水を担っているので故障した場合はエアコン内部に水がたまり行き場所をなくした水分が水滴となって室内機からポタポタこぼれてきます。

結露よりも水漏れですが、エアコンから出てくる水滴の量が多いと感じた時に疑ってみましょう。対処法は自分で専門道具を購入して直す方法やドレンホースを交換する必要があります。自分でできないと感じた場合は業者の人にお願いしましょう。

配管の表面部分に薄く水滴が付いているような水漏れの場合は、配管の表面温度の低さが原因の可能性が高いです。冷たくなった配管表面に結露が生じて、それらが垂れて染み出た水滴が原因となっています。

これは夏などに、氷を入れた容器の表面に結露が生じるのと同じような原理です。このように発生した結露の水滴が配管に沿って流れた後に、配管カバーから漏れたり、壁の貫通付近などで水漏れを起こします。

ドレンパンはエアコン内部に溜まった水蒸気や湿気などの水分を一時的においておく受け皿で、常に水が溜まっている部分です。ドレンパンはエアコンの室内の中でも一番汚れやすいところです。

ドレンパンが汚れていると水分をうまくためられず、水滴になってこぼれてきます。ドレパンの対処方法は定期的な掃除です。ドレンパンは自分での掃除が難しいため業者の人にお願いしましょう。

エアコンの結露対策の中では1番定番ともいえる手軽な対策方法です。温度設定を変えるだけで誰でもとても簡単に結露を防止できるので、大変おすすめです。エアコンの結露の仕組みは温度によるものですので、根本から対策できます。

暑くて湿度の高い日は特に、室温とエアコンの冷風の温度差で結露しやすくなります。そのため、結露の発生を防ぐには、なるべく室内と室外の温度を合わせ、温度差を減らすのがポイントです。いくら暑いからといって、20℃以下などエアコンの設定温度を極端に下げるのはご法度です。

エアコンの設定温度は、夏は25～28℃が目安になります。28℃と聞くと、暑いのでは？と思う方もいると思いますが、外気温が30℃を超えるような日なら、28℃でも十分涼しく感じられます。以下の記事では、エアコンの設定温度について詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。

エアコンを止めて窓や戸を開けて換気をするだけでも結露は防止できます。ただし、夏場は外が高温多湿なのでかえってクーラー内部に湿気を取り込んで結露を発生させてしまう可能性もあります。エアコンを止める場合は、熱中症予防のため扇風機やうちわなどの暑さ対策が必要です。熱中症や脱水症状には気をつけましょう

また、寒い冬の換気は外から侵入する冷たい空気が暖房効率を下げてしまいがちです。これを防いで部屋の暖かさを維持するためには、換気方法を工夫する必要があります。冬に換気する際は、以下の3つのポイントを意識してみてください。

【冬場の換気方法】

• トイレやお風呂の換気扇は常に回しておく
  トイレや浴室の換気扇は、電気をあまり使わないのでいつも回しておきましょう。
• 窓には弱い風を当てる
  日頃から結露が頻繁に生じる窓には、水分を含んだ空気が留まりやすいです。サーキュレーター等の風を当て、空気を動かしましょう。
• 寝室は起きたらすぐに換気する
  人間は睡眠中に約200ccの汗をかくため、寝室には水分が溜まりやすいです。朝目が覚めたら、すぐに換気をするようにしましょう。
• リビングは夜間に換気する
  暖房の使用が多いリビングなどは、人がいない夜間に部屋の温度が低下して結露を起こします。人が離れている夜の間に換気し、日中溜まった水分を追い出しましょう。

電気代を気にして省エネ設定にすると風量は控えめになりますが、風量を上げると結露を防げます。エアコンの吹き出し口などに水滴がついている場合、風量を上げるとエアコンの内部の水滴も吹き飛ばせるからです。

室内機の出す風に対して室外機が暑いと今の風量で出せる限界の状態まで稼働します。こうなると冷房がオーバーヒートを起こし結露が発生するので、結露が気になったら強風に切り替えましょう。強風設定に抵抗がある場合は、風量を自動に設定しておくと部屋に合わせた風量で冷たい空気が部屋を循環します。

エアコンのルーバーの角度を変更して、風向きを上向きにするのも結露対策として有効です。ルーバーが下向きのまま長時間冷房を稼働していると、吹き出す冷風がルーバーに当たり続けて結露が起きやすくなります。結露防止のために、ときどき風向きを上向きにして対策しましょう。

「結露防止運転機能」もぜひ使いましょう。冷房を使ってそのままスイッチを切ると、温かい空気がエアコン内部に入り来み、温度差で結露の原因になります。結露防止運転は、エアコン内部の水分を除去する機能で、カビの発生も防ぐ効果があります。メーカーによって名称が異なる場合があるので、事前に確認してください。

結露水を吸水して自然蒸発させ再び吸水するサイクルを繰り返す商品、「結露防止テープ」を使用するのもおすすめです。電気製品や機器内部の結露水対策で使われる場合が多く、エアコンへの貼りつけはルーバーの長さにカットするだけで簡単に行えます。

【結露防止テープの貼り方】

1. 結露防止テープを貼り付ける部分に付いている汚れを取り除く
2. 下から上に向けて結露防止テープを巻き上げる
3. 結露防止テープの端の部分をビニールテープなどで巻いて止める

フィルター掃除の手順を以下にまとめましたので掃除をおこなう際には参考にしてください。

1. 外装カバーを外す
2. フィルターを外す前に掃除機でホコリを取り除く
3. フィルターを外しシャワーで頑固なホコリを洗い流す
4. 取り除けないほこりなどは綿棒や歯ブラシを使って取り除く
5. 日陰において自然乾燥し乾燥したらはめ直して終了

自己流で適当に掃除をしてしまうと、一歩間違えれば故障の原因にもなりますので、もしも難しいようであれば無理せず業者に依頼をしましょう。

部屋を冷やしたり温めたりするうえで大切な役割を持つ冷却フィンも、フィルタ―のようにホコリやカビで汚れている場合が多いです。しかし、フィンは取り外し不可なので、掃除方法がわからない方もいるかもしれません。そんな方は以下の手順と注意点を参考にしてみてください。

【冷却フィンの掃除手順】

1. 掃除前にエアコンの電源を切って、コンセントを外す
2. エアコンの前面にあるカバーを開け、内部のフィルタ―を取り外す
3. エアコンの風の通り道である「ルーバー」の汚れを拭き取る
4. 掃除機や歯ブラシを使ってフィンの汚れを取り除く
5. フィンにエアコンクリーナを満遍なく吹きかけ、10～15分放置する
6. フィルターを元の通りに付けて、コンセントを差し込む
7. 10分程度送風運転し、エアコンの内部を乾燥させたら終了

【冷却フィン掃除の注意点】

• 掃除機や綿棒を使う際は、フィンの目に沿って優しく拭く
• クリーナーをかける際、電装部はビニールなどで保護する
• 汚れた液をしっかり流すために、クリーナーは必ず1本使い切る
• カビの再発や故障を防止するため、最後には必ず送風運転を行う

結露は湿気で発生するため、除湿も結露を防ぐ上で有効的な手段となります。除湿にはさまざまな方法がありますが、中でも以下の方法はどれも簡単に行えるものなので、ぜひ試してみてください。特に雨が降った日などは意識的に除湿しましょう。

【部屋の除湿方法】

• エアコンの除湿モードにする
• 水気のあるものはなるべく部屋に置かない
• こまめに換気をする
• エアコンと除湿機を併用する
• 除湿効果を持つ炭をおく

エアコンでのトラブルの原因は結露以外にもたくさんありますが、エアコンから水滴が漏れている、嫌なにおいがする、風通しが悪いなどの多くは結露やフィルターの汚れが原因です。エアコン結露はそこまで大きなトラブルではないですが、ほったらかしにするとさまざまな悪影響が出てきます。

結露やフィルターがトラブルの大きな原因ですが、中にはエアコン自体に問題がある場合があります。どうしても原因がわからない時は自分で対応するのはやめ、業者に依頼してみましょう。エアコン自体の老朽化が考えられる場合は思い切って買い替えるのもおすすめです。

今回はエアコン結露の仕組みや原因と対処方法、対策方法についてご紹介しました。エアコンの結露をそのままにしておくとカビの原因や電気代の悪さ、体調不良の原因となるので、なるべく早い段階での掃除や点検をおすすめします。結露が発生したらほったらかしにするのではなくすぐに対処するようにしましょう。