【暖房・冷房】エアコンの風向きのおすすめは？【左右や自動・上下どれがいい？】

エアコンは、一年を通して室内温度を快適に保つために欠かせない家電です。しかし電気代が気になって、なるべく使いたくないと考える方も多いですよね。節電のために冷房・暖房をこまめにON・OFFする方もいますが、これは余計に電力を使うため、電気代がより高くなる可能性があります。

また、室温も安定しないので、快適さも損なわれます。そこで注目したいのが、エアコンの風向き設定です。上下・左右・自動など設定を少し見直すだけで、電気代を抑えつつも快適な空間を手に入れられます。

この記事では、快適な室温を保ちながら節電も叶える、エアコンの風向設定について解説します。夏場や冬場などのシーンに合わせた風向き設定方法も紹介するので、ぜひ最後まで読んで活用してください。

冷たい空気は低いところへたまる性質があります。「暑い時期のエアコンは足元が冷えるからイヤ」という方が多いのは、冷たい空気の性質そのものが感じさせているためです。最も効率的にエアコンの冷たい風で室内を満たすためには、風向を水平に設定するのがおすすめです。

一般的なエアコンは天井に近い位置に設置するので、風向を水平に設定するだけで自然と冷たい空気が低いところへ降りてきます。

エアコンの風向きを水平にしていても、部屋の隅にいるといつまでたっても涼しくならず、不快に感じる場合があります。部屋の隅やエアコンから遠い場所にいると暑いと感じるのは、冷たい空気が降りた場所に留まるからです。

冷たい風が届きにくい場所でも涼しく過ごすなら、風向は天井に向かって上向きに設定しましょう。上向きにすると部屋の中を冷やす効率が上がるので、電気代の節約にもなります。

風向を上にすると温風が天井付近にたまる一方で、人が座るくらいの低い位置は寒いままになってしまいます。かといって、真下でも効率は良くありません。暖房で部屋全体を暖かくするには、吹き出し口の角度が水平に対して60°下向きになるよう設定しましょう。

また、風向を下にしても、風速が弱いと床まで届かないまま上に流れてしまいます。素早く室内を温めたいときほど風速を強めにするのがおすすめです。

エアコンをつけた直後に暖めたい場所をピンポイントで狙えるように、左右の風向も調節しましょう。下向きならどこでもいいわけではなく、人がいる場所に集中するよう風向を調節するのがポイントです。

せっかくエアコンを使用しているのに部屋にいる全員が快適に感じられない、あるいは部屋の居場所によって暑くなったり、あるいは寒くなったり感じることがあります。それは、室内に温度ムラができているからです。冷たい空気と温かい空気では、冷たい空気の方が循環しやすい特徴があります。

エアコンから出る冷風の風向は、水平でも比較的遠くまで涼しさが届きます。しかし、エアコンから出る温風を部屋中に循環させるのは意外に難しいです。しかし、常にリモンコンを持ち歩いて風向をこまめに調整する必要はありません。1年中室内温度を快適に保ちたいなら、エアコンの風向を「自動」に設定しましょう。

この方法は、エアコンの温度センサーが快適な状態をしっかり見極めるので、いちばん楽でエコな方法です。

エアコンからの直風が苦手な方には、エアコンルーバーの設置がおすすめです。エアコンルーバーとはエアコンの吹き出し口前に設置する風よけのパネルで、冷暖房の直風を防げるだけでなく好みの角度に送風できるメリットがあります。

冷暖房の直風は、血行不良や風邪などの体調不良のリスクがあります。エアコンの風による健康被害を防ぐためにも、ぜひエアコンルーバーを活用してください。以下の記事ではエアコンの風よけの選び方と人気おすすめ商品を紹介しています。

サーキュレーターや扇風機を使って室内の空気を循環させるので、温度ムラをなくせます。サーキュレーターと扇風機の違いは「空気の攪拌力」です。扇風機は一定の場所にいる人を涼しくするためのものなので、攪拌するには不十分かもしれません。

一方、サーキュレーターは空気を循環させるためのものです。空気を遠くまで届ける効果があり、扇風機よりも風を送るパワーが強いので、サーキュレーターの方が快適で省エネ度が高いです。サーキュレーターや扇風機の併用方法については、以下の記事で解説しています。

室内と屋外の温度差を軽減させるカーテンやサンシェードも、冷暖房効率をあげて省エネにつなげるアイテムです。真夏の直射日光を遮るだけでも、屋外からの熱の侵入を30％程度抑えられます。冬も同様で、サッシからわずかに入る外気をカーテンで遮ると暖房効率がUPします。

カーテンやサンシェードの素材にもよりますが、できるだけ厚手で頑丈なものを窓につけるだけでも、快適度と省エネ度を同時に上げられます。

エアコンのフィルターは特に乾燥する冬場に目詰まりしやすく、フィルター掃除をせずに放置すると電気代が5％〜10％もムダになります。2週間に1回くらいを目安にフィルターを外して、掃除機で軽くホコリを吸い取りましょう。

ほかに、室外機まわりに物を置かないようにし、ゴミやホコリを取り除くと、室外機がスムーズに動き冷暖房の効きも良くなります。こまめに掃除をしてお部屋の空気をきれいに保ちましょう。

部屋の湿度が高すぎると、汗が乾かないため蒸し暑さを感じます。涼しさを感じるのは、汗が蒸発するときに熱が奪われる気化熱の原理によるものです。そのため、汗が蒸発しやすくなるように、空気の湿度を下げる除湿設定をしましょう。

暑さ・寒さを感じるのは「体感温度」が関係しています。エアコンの温度設定よりも、風量を強くした方が、体感温度的に快適に感じやすく、消費電力も少なくなります。たとえば、エアコンの温度設定を1度変えるだけで、消費電力が10％も変わります。

一方、風量を強くするだけならそれほど消費電力は増えませんが、体に当たる適温の風の勢いが強くなるため快適さがグンと上がります。風向を調節したら、次は風量を変えましょう。それだけでも快適だと感じられる温度になりやすく、電気代の節約にもなります。

空調事業を展開するダイキン工業からも、節電方法がPRされています。先の見出しでも触れましたが、冷房使用時の風向きはダイキンも水平設定を推奨しています。これは、室内温度の斑を少なくするためです。

風を人のいる方へ向けたり風量を強めにしたりと、温度設定は同じでも涼しく感じられる方法もあります。風量を上げると電気代が高くなるのではと心配されがちですが、温度設定を下げるよりは少ない電力で済みます。また、こまめに掃除してホコリを取り除くのも節電の大切なポイントです。

外出するときにエアコンを切らないと電気代がもったいないと思われがちですが、1時間程度の外出ならエアコンは付けっ放しの方が節電になります。エアコンは部屋の温度を調節した後は、効率的に快適さを維持できるように作られています。消費電力が最も大きくなるのは電源を入れる運転開始時なのです。

温度を一気に上下させなければならないのは電源がONのときなので、節電のつもりで電源のON・OFFを繰り返すと室内の温度が不安定になり、かえって逆効果になる場合もあります。下記の記事ではエアコンを付けっ放しにして節電する方法・注意点について、より詳しく紹介しています。

エアコンの吹き出し口に付いている羽の部分は「ルーバー」と呼ばれていて、風向きの調節をしている重要なパーツです。エアコンを使っているときはルーバーも動いているため、長く使っているうちにルーバーが動かなくなってしまう場合があります。

ルーバーが動かないときは、ルーバーの破損かモーターの故障のどちらが原因か確認してください。ルーバーの破損であれば自分で取り替えられますが、モーターが故障している場合は業者による修理が必要です。どちらが原因かわからない場合は、念のため業者に相談してください。

エアコンの風向が勝手に変わる・設定した風向にならないなどの場合は、冷房と暖房で原因が異なります。三菱電機のエアコンを例にすると、以下の原因が考えられますので参考にしてください。解決しない場合は、各メーカーのサポートセンターへ問い合わせてください。

• 冷房の場合：吹き出し口からの露の滴下を防ぐため、30～60分程度水平になる。
• 暖房の場合：室温が設定温度を超えた場合、暖めすぎを防ぐため水平になる。また、霜取り運転中も自動で水平になる。
• 上下に動かない：上下風向フラップがゆるんでいる可能性がある。「カチッ」と音がするまで押し込む。

1年を通して気持ちよく過ごすためにはエアコンが欠かせません。室内の温度をもっと快適にコントロールするために、まずは風向きを変えてみてください。温かい空気や冷たい空気の性質に合わせて上下の風向を変えるだけで、快適さも電気代も大きく変化します。