エアコン洗浄スプレーを使ってはいけない？｜火災についてやおすすめ商品も

一年ぶりにエアコンをつけたら、「なんだか臭いニオイがする」と感じた経験はありませんか？そんな時は、エアコンクリーニングが必要です。ニオイを自分で消す方法はないか調べていて、エアコンの洗浄スプレーや掃除スプレーの存在を知る方も多いはずです。

簡単そうなエアコン洗浄スプレーですが、エアコンのどこに吹きかければいいのかが難しいです。ただ吹きつければいいと思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、実はエアコンの洗浄スプレーにはいくつか種類と使ってはいけない場所があります。

正しく使用しないとエアコン洗浄スプレーのアルコールが火災の原因になる場合があります。そこで、エアコンの洗浄スプレーの正しい使い方・何が危険なのかについて解説します。また、Ag消臭プラスなどおすすめのエアコン洗浄スプレーも紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

エアコンの汚れやカビは放置すると、エアコンから風と共にイヤなにおいがするようになります。溜まったほこり・カビ・害虫のフンが降ってくることも。また、エアコンの効果が悪くなると電気代も高くなります。エアコンの掃除はこまめにするようにしましょう。

ネットでエアコン洗浄スプレーの使い方を調べると、「危険」といった情報が出てくるためどうしても気になってしまいます。危険と言われている理由は、エアコンの洗浄スプレーを誤って使ってしまうと、火災の原因になってしまうからです。

知識のないままスプレーをむやみにかけてしまうと、洗浄液やアルコール消毒剤がエアコンの精密な電子部分に飛び散り、その成分が発火し火災に繋がります。また、付着したままになっている洗浄液やアルコール消毒剤が、時間の経過とともにエアコン内部の部品を溶かしたり劣化させる場合もあります。

それによって、故障に至るだけでなく電気が通っている部分がむき出しになり、ホコリと接触して火災が発生する「トラッキング現象」と呼ばれる現象が起きるのです。実は、このようなリスクがあるため、メーカーは洗浄スプレーの使用を推奨していません。実際に火災になった例もあるため、心配があれば掃除業者に依頼するのが一番安心です。

フィルターは、エアコンの正面のパネルを開けた時に、一番手前に見える網状のものです。エアコンが部屋の空気を吸い込む時に、ホコリや汚れをろ過する役割がありますので、お部屋の中のカビやホコリも含めたハウスダストがフィルターに溜まっていきます。

フィルターのホコリが溜まりすぎると、フィルターを外す時にホコリが飛散してやりづらくなるだけではなく、エアコンの効きも悪くなります。フィルターの掃除は2週間に1度は実施するのが目安です。

フィルター掃除については以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。

「エアコン洗浄スプレー」は、エアコンの「フィン」と呼ばれる熱交換器を洗浄するためのものです。フィンはフィルターの奥にあり、フィルターを外すと見える薄い板状の金属がたくさん並んでいる部分を表します。フィンは、空気の温度を変える重要な役割のある部分です。

このフィンは、カビや汚れが付着し溜まった状態だとパワーが衰え、空気を冷やすために電力を多く消費してしまいます。そして時間の経過とともに、カビがアルカリ化して、冷風や温風がすっぱい汗臭いニオイを発し部屋中が臭くなります。

フィンの掃除方法については、以下の記事で詳しく解説しています。

エアコンから温風や冷風などの風が出るのは、ファンが回転しているからです。また、カビ防止対策のために冷房運転後に送風運転をすると、内部の湿気を飛ばしエアコン内部を乾燥させられます。

正面から見て、ファンの位置はフィンのさらに奥の方にあり、吹き出し口からエアコンの中を覗くと確認できます。ファンを掃除するためのクリーナーは、「ファンクリーナー」として販売されていますが、商品を選ぶ際には、エアコンの内部の奥の方にあるファンに届くよう、ノズルが付いているタイプがおすすめです。

エアコンの水漏れの原因は、ドレンホースの詰まりが原因の場合がほとんどです。エアコンは冷房運転の時に、エアコン内部が冷やされ、結露（水滴）が発生します。その結露は、受け皿であるドレンパンにたまり、そこからドレンホースをつたって屋外に排出されます。

そのため、ドレンホースが汚れやほこり・虫などの侵入で詰まってしまうと、水滴が外に排出されずに、エアコンから水漏れが発生してしまうのです。ドレンホースを掃除する際は、洗浄スプレーではなく、ドレンホースクリーナーというポンプ状の器具を使いまししょう。

作業をする時には手を薬剤から保護するために、掃除用のビニール手袋をはめて作業しましょう。養生シートは市販品もありますが、45ℓのゴミ袋を切って作成もできます。

• 各部位のクリーナー
• 養生シート（エアコンのまわりの壁や床が汚れないように貼る45ℓビニール袋1枚）
• 養生テープ
• 脚立
• 掃除用ビニール手袋
• マスク（防護のため）
• メガネ（防護のため）
• ゴミ袋予備1枚
• ビニール袋
• 不要なブラシ（ホコリ取り）
• 乾いたタオル数枚

＜養生シートの作り方＞

45ℓのゴミ袋の端に縦にハサミを入れて、幅の広い一枚のシート状にします。ハサミを入れた部分の両端を、エアコンの両脇に養生テープでとめて、薬剤や汚れが床に落下しないようにします。この時、落ちてくるスプレー液を受け止められるように、下部が袋状になっているか確認しましょう。

• 電源を切ります。リモコンなどで作動しないように、エアコンのコンセントを抜きましょう。
• 薬剤などが手に付着してしまうと手が荒れてしまうので、ビニール手袋かポリエチ手袋をはめましょう。
• エアコンから出る洗剤や汚れで壁と床が汚れるのを防ぐために、養生シートをはります。
• スプレーにはガスが含まれているため、必ず換気しながら作業を行いましょう。換気をしないと気分が悪くなる可能性があります。

＜必ず注意すること＞

• エアコンの内部洗浄を行う場合、フィルター・フィン・ファンといった内部にある部位を確認し、絶対に電気部品に洗浄液が付かないように注意しましょう。
• エアコンの洗浄スプレー以外の、消毒用のエタノールなど可燃性のある液体や次亜塩素酸ナトリウムなどの消毒液では洗浄しないようにしましょう。
• 上記注意を守らないと、エアコン内部が破損したり発火して火災になったりする危険性があります。

<フィルターの掃除方法>

• 取扱説明書でフィルターの取り外し方を確認しフィルターを外します。蓄積しているホコリの量が多い時には舞い飛ぶのを防ぐために、掃除機を軽くかけてから外すか、少し濡れた雑巾で押さえながら外しましょう。

• フィルターを外してフィルター全体にスプレーします。
• 泡が消えたらシャワーで水洗い流します。（内側から外側、外側から内側へと目詰まりがないように両面を洗い流します）

• 泡はなくなるまで丁寧に洗い流したらタオルで拭いて陰干しをし、乾燥したことが確認できたらフィルターを元通りに差し込みましょう。

＜熱交換器（フィン）の洗浄手順＞

• 洗浄スプレーの説明書を読んで手順を確認します
• 養生シートを取り付けます（万が一床に垂れてもいいようにビニールシートかバケツを床に置く）
• エアコンの電源を落とします
• フィルターを外し、熱交換器（フィン）を露出させます
• エアコンの取扱説明書をみてフィンの位置を確認します
• エアコンの基盤の位置も確認し、基盤や電装部分は液体がかからないようにビニール袋をカットし養生します （【重要】カバーを外すと、基盤や電装部分がむき出しになるため、必ずビニールで覆ってください。ここで電装部分に洗浄剤の水分がかかると故障の原因になります）
• フィンのホコリやゴミがかなり溜まっている場合は、ブラシや掃除機でやさしく取り除きましょう

• エアコン洗浄スプレーを、フィンの金属の目に沿ってたっぷり吹き付けます
• プチプチと泡がはじける音がなくなるまで10分ほど待ちます（洗剤と汚れの成分は、液体となってドレンパンに落ちて、ドレンホースをつたって室外に排出されますが、ある程度の量がないと流れていかないため、定められた分量を1回分すべて使い切りましょう）

• フィンの水分を1～2時間自然乾燥させます
• フィルターとカバーを元に戻します
• 送風運転で1時間ほど運転します
• その後は普通に使用しましょう

＜注意点＞

・洗浄液が完全に外に出るまでしばらく電源はつけないでおきましょう。

・さらなる水洗いは、制御装置に水分がかかり故障の原因になるためおすすめしません。

・内部をしっかり乾燥させてカビ防止・におい防止のためにも、スプレーをした後しばらく送風運転するのをおすすめします。

・洗浄スプレーは床に落ちる可能性があるため、床にもゴミ袋かビニール袋を敷いて作業しましょう。

＜ファンの洗浄手順＞

• コンセントを抜きます
• エアコンの下に垂れてくる液体を受け止める養生シート（スプレーに付属している場合が多い）をエアコン吹き出し口の下に設置します（垂れてきた液体の重さで袋が落下しないように、両端は養生テープではなくガムテープで補強しましょう）
• 念のため電子制御版など水分がからないように、ビニール袋で養生しましょう

• 洗浄タイプのスプレー缶を、噴き出し口からファンに向けてノズルを入れながらスプレーします
• 20～30分放置します
• すすぎタイプ（リンス）の缶を、汚れを落とすようにスプレーし、液体が袋に流れ落ちるまで5分ほど待ちます

• エアコンにタオルをあてながら10秒ほど送風運転し、洗浄液が出なくなるのを確認します
• 吹き出し口に取り付けた養生シートを外します

＜ドレンホースの掃除方法＞

ドレンホースに詰まった汚れを取り出す方法です。まずは、屋外のドレンホースの排出口を探しましょう。掃除機を利用する方法もありますが、吸引の力が強すぎると故障してしまう可能性もあり、何よりも水を含んだ汚物が出てくる可能性が高いので、掃除機よりもドレンホースクリーナーを使用したほうがいいです。

• 室外機のそばにあるドレンホースの排出口を探します。
• ドレンホース排出口に、ドレンホースクリーナーをハンドルを押し込んだ状態ではめて、ハンドルを引き、汚れを吸引します。
• ドレンホースクリーナーをドレンホースから抜いて、ハンドルを押して汚れをゴミ袋などに入れて処理します。

洗浄スプレーを使うメリットは、ブラシでこすらなくても薬剤がカビや汚れを浮かせてくれる点です。しかし、内部の部品にスプレーの成分が残っていた場合、時間とともに電気部品を溶かし、故障や火災を引き起こす可能性があるので、少しでも心配であれば、専門知識をもつ業者に依頼するのが一番安心です。

業者にエアコンの掃除を依頼したときの相場は、8000円前後からです。エアコンの設置されている場所の難易度や、出張料なども含めて、料金は確認してから依頼しましょう。

自分でエアコンクリーナーを買って掃除をする際は、最初に必ずエアコンのコンセントを抜きましょう。クリーナー裏面の注意書きを読み込んで、安全面に気を付けて行いましょう。また、心配や危険を感じたら、無理をせずに業者に相談するようにしましょう。