【2023最新】暖房に強いエアコンおすすめランキング【寒冷地用や人気メーカーも】

近年の夏の暑さを解消するため、エアコンは各部屋に1台あるのが当たり前になっています。エアコンが壊れるのは夏が多いものの、1年中使用する方にとっては冬の暖房能力も大切ですよね。

エアコンは冷房よりも暖房の方が馬力が必要というのは、比較的知られた話です。では、暖房に強いエアコンは？とお探しの人もいますよね。

この記事では、暖房機能に力を入れたエアコンについて解説します。さらに、エアコン購入者500人を対象にしたアンケート結果も交えて解説します。

☆この記事を読めば、暖房に強いエアコンの探し方がわかります！

エアコンの選び方や暖房性能のいいエアコンをご紹介する前に、エアコンの暖房を利用するメリットとデメリットをご紹介します。購入する前に一度メリットとデメリットを見直して、自分のライフスタイルに合っているか確認してみてください。

【メリット】

• 場所を取らない｜床に直接置かないため部屋がスッキリ
• 燃料の手配が不要｜石油ストーブ等の場合は灯油の用意が必要
• 子供やペットがいても安心｜手の届かない場所に設置するため火傷の心配がない

上記のとおり、エアコンは高い位置に設置するため置き場所に困りませんし、火傷の心配もありません。そのため、「暖房器具を利用したいけれど子供やペットがいるため不安」と思われている方には特におすすめです。

【デメリット】

• 部分的に暖められない｜足元だけを暖めたい場合等には不便
• 空気が乾燥しやすい｜空気中の水分は増えず温度だけが上昇するため

上記のとおり、冬場は足元だけが冷えてしまうことが多いと思いますので、部分的に暖めたい場合は不便に感じるかもしれません。なお、下記の記事で乾燥対策についてご紹介していますので、乾燥が気になる方はこちらも参考にしてください。

低温時暖房能力とは、「外気温2℃の時の暖房能力」を示しています。この数値が高いほど暖房能力が高いです。

低温時暖房能力は機種によって異なり、比較対象によっては同じ馬力のエアコンでも1kw以上異なる場合もあります。ここで主要機種を比較してみましょう。

※2023年モデルのフラッグシップ20畳用にて比較(寒冷地仕様を除く)

このように比較すると、ダイキンのうるさらXが一番、低温時の暖房能力は高いという結果でした。

このデータは20畳用6.3kw機種によるものです。他の広さのお部屋で使用する場合も、同様に低温時暖房能力をご確認ください。

寒冷地仕様とは「外気温－25℃でも暖房運転可能」とされるエアコンです。低温時暖房能力とは別に、室外機が大きく融雪の工夫があったり、積雪に強い構造になっていたり、凍結を防ぐ工夫もほどこされています。

この「寒冷地」として寒冷地エアコンの使用が推奨される地域は、筆頭が北海道です。

他にも、本州では外気温がマイナス5度以下や、東北・北陸地方の積雪のある地域では、各メーカーの寒冷地仕様のエアコンが推奨されています。

エアコンを選択する上でまず前提としてエアコンは必ず取り付け工事が必要であることを知りましょう。そして設置工事の価格は、今のお部屋の環境によって変わります。工事費を含めて予算を見積もる必要があります。

• 例）各家電量販店の「標準工事」として取り付けできる環境
  
  ・古いエアコンなし
  ・エアコン専用コンセントあり
  ・配管穴あり
  ・室内機と室外機を同じ階数の地面に設置

基本的に、このような状況以外では有料で追加工事が必要になります。

• 追加工事が必要なよくある例
  
  ・専用コンセントがない
  ➡︎コンセント自体の増設が必要。
  
  ・エアコンのボルト(V)と専用コンセントのボルト(V)があっていない
  ➡︎100V→200Vのようにコンセントの切り替え工事が必要。
  
  ・エアコン穴がない
  ➡︎穴あけ工事が必要。最近の新築に多いガルバリウムなど特殊外壁は特殊工具が必要。
  
  ・室外機を屋根置き・壁掛け・2段置き・吊り上げなど
  ➡︎専用パーツ＆追加料金必要。
  
  ・エアコンの新規取り付けではなく買い替え
  ➡︎取り外し費用＋リサイクル費用必要。

場合によっては、追加工事で3〜5万円かかる可能性もあります。

購入の時点で家の状態を正しく把握し、追加工事の見積もりまでできていると、実際の工事での金額の乖離が少ないです。

エアコン選びで「サイズ」が重要な理由は、近年エアコンの「室外機」が大型化の一途を辿っているためです。

大型化により、能力や静音性は向上しているものの、「買い換えたら室外機が元々の場所に置けない！」という弊害も生まれています。

そのため、以下の2点を必ず確認する必要があります。

1. 設置予定スペースの余裕
   ➡︎左右の余裕のみでなく、出窓の下なら上部スペースもチェック
   
2. 壁付け・屋根置き・天吊りなどの場合は設置場所の耐荷重

結論｜これ以上のスペースがあれば自由に機種を選べる！

室外機は排熱スペースを守らなければ火事になるおそれもあるため、メーカー推奨のスペースは必ず確保してください。

ちなみに、最近は室内機も重くなっており、最上位機種の中には20kgオーバーのものもあります。築年数の古い家で設置が不安な場合は、取り付け店で相談してください。

室外機を設置する時は、外壁から所定の距離を空けなければなりません。機種によってそれぞれ設定スペースは違うものの、おおよそ以下のように離す必要があります。

ちなみに、室外機は裏面から吸引し前方のファンから吐き出す構造をしています。そのため、前方の空間が少なく隣地の家屋に近すぎると、騒音や隣地の外壁の汚れといったトラブルの元になる場合もあります。

繰り返しますが室外機は巨大化しているため、設置予定場に余裕があるかを必ず先に確認してください。

エアコンの室内機のスペースは、

• 上部に5〜10cmのスペース
• 左右に5cm以上のスペース

とされている場合が多いです。

よくある失敗は、想像以上に最近の機種が大きく、カーテンレールに干渉するトラブル。もっとも最近のエアコン室内機は省スペース設計も多く発売されているため、設置場所入るエアコンが見つからない事態は少ないですよ。

エアコン選びでの家の築年数は、

・築50年
・築20年
・新築〜築浅

が一つの基準になります。

• 築50年｜ほぼ断熱なし。昔からの木造家屋
  ➡︎表示のままの適用畳数で見る。暖房を使うなら1サイズ上の方が効きがいい。
  
• 築20年｜断熱材はあるが性能が低く劣化している。床下断熱はない場合がほとんど。アルミサッシの単窓が標準で、冬は冷気が入りやすく寒い
  ➡︎表示のままの適用畳数で見る
• 新築〜築浅｜次世代省エネルギー基準が謳われるようになり、高性能な断熱材入りでアルミ樹脂のペアガラスと高気密。断熱材の劣化も少ない。
  ➡︎表示のままだとオーバースペック。
  次世代型省エネ住宅なら、20畳リビングで14畳用など

まずは、ご自身のお住まいがおおよそどこに属するか、築年数やリフォームの有無などから考えてください。

使用する部屋の状況はご家庭によって違いますが、気にしたいのはこのような点です。

• 南向きの大きな窓がある
• 西日が当たる大きな窓がある
• LDKで室内に火元がある
• 吹き抜け・ロフトがある

このような場合は、暖房能力を基準に選ぶ＋ワンサイズ上の機種を選択すると、エアコンの効きも良く長持ちします。

じつは、一般財団法人の「電力中央研究所」がエアコン選定支援ツールを公開しています。

最近の次世代型省エネ住宅にも対応しているため、適用畳数が当てにならず困っている方は必見です！

このツールを用いておおよその能力を算出し、上記の部屋の状況に合わせて最終的な大きさを決定すると、失敗しないエアコンの大きさ選びができますよ。

ここまで読めば、多くの場合でエアコンは表示通りに選んではいけないとわかりますよね。では、そもそもの「エアコンの表示の見方」はご存知ですか？

エアコンは、エアコン売り場の値札ではこのようにスペックが表示されます。

これは、

木造住宅＝冷房17畳：暖房16畳

鉄筋コンクリート住宅＝冷房26畳：暖房20畳

を表しています。基本的に暖房のほうが馬力を使うため、エアコン選びは「暖房を基準」に行います。

このエアコンスペックの見方を抑えておいて、家の状況に合わせて本当に必要な大きさを割り出すのが、正しいエアコンの選び方です。

ちなみに、「冷房7.1kW：暖房6.3kW」といった数字はエアコンの能力を表しています。上記のエアコン選定支援ツールで算出した場合は、この能力(kW)を基準に選んでください。

エアコン購入者へのアンケートではこのような結果になりました。

• ワンサイズ小さめ：61/500人　満足度：80.33%
  本体価格や、電気代、工賃を気にして選択した人が多く、満足していない人も多い
  
  
• ぴったりサイズ：296/500人　満足度：93.92%
  「まぁ効くだろうし、電気代も相応だろう」と選択している人が多く、結果的に満足度も高い
  
  
• ワンサイズ大きめ：137/500人　満足度：95.62%
  部屋の形、日射条件など特定の環境での利用を想定して選択した人が多い。中にはすすめられたから、という人もいるが総じて満足度は高い。

ワンサイズ小さめは満足している人が少なく見えますが、それでも8割の回答者が「満足している」「どちらかと言えば満足している」に回答しています。お部屋の環境から「小さくても大丈夫だ」と言える方は、コストの面からも小さめを選んだ方がいいでしょう。

不安がある人や、多少のコストには目を瞑ることができる人はぴったり〜ワンサイズ大きめを選んでおけば安心です。ただし、本体価格だけでなく、電気代がかかるので何も考えずに大きめサイズを選ぶことはおすすめしません。

非常に多くの機能をがあるエアコンは、家電の中でもかなり複雑で選択するのが難しいです。まずは、購入者が「もっと気にして買うべきだった」と後悔した項目について実施したアンケート結果を見てみましょう。

※赤字の項目は解説済み

エアコンのお手入れを簡単にする機能は、「フィルター自動掃除機能」です。

• フィルター自動掃除機能とは…
  
  フィルターを自動でブラシ掃除し埃を除去する機能。埃は「ダストボックス」に貯める方式か、「外へ排出」する方式の2通りある。ミドルクラス以上(10万円〜)の機種に搭載される機能。

フィルター自動掃除機能があれば、フィルターを自分で外して埃を除去する作業は不要です。ただし、あくまでフィルターの埃除去機能のみで、それ以外のお手入れは必要になります。

ちなみに、フィルター自動掃除以外にも、お手入れに関する機能はあります。

• 内部クリーン
  
  エアコン使用後に内部を温風で乾燥させる機能。カビ対策として搭載される。ほぼ全ての機種に搭載されている。

• 熱交換器の自動洗浄
  
  熱交換器を凍結→解凍することで、内部にできる霜を溶かし全体の汚れを洗い落とす機能。掃除中はエアコン使用不可になる。上位モデルに搭載される。こちらもカビ対策として搭載される。

• ファン自動お掃除
  
  2022年発売の日立エアコンに搭載された機能。シロッコファンの埃を自動で除去する機能。

エアコンのお手入れをなるべくラクにしたくても、「最上位機種のフルスペックモデルならお手入れ不要！」にはならない点は注意しましょう。

いくらフィルターや熱交換器の自動洗浄ができても、エアコン吹き出し口・ルーバー周辺に溜まった埃は、手動で除去する以外ありません。

内部がどれだけ綺麗でも、吹き出し口の掃除をサボると吹き出す風は汚くなります。エアコンのお手入れ機能はあくまで「お手入れをラクにする補助機能」と考えてください。

結論｜フラグシップモデルでも結局お手入れは必要！

お手入れの手間を考えるなら、筆者はお手入れ機能がフルで搭載された上位モデルよりも、中位以下モデル＋エアコンクリーニングをおすすめします。

• エアコンクリーニングとは…
  
  専門業者が行うエアコンクリーニングで、埃を除去した後で内部を水で徹底洗浄するサービス。壁や床の養生まで全て業者が行うため、依頼側は立ち会いするのみで完了。エアコン下には多少作業用の空間が必要になる
  
  価格相場
  ・通常エアコン｜約1万円前後
  ・自動お掃除機能付きエアコン｜約2万円前後
  
  おすすめ頻度｜2年ごとの実施
  

熱交換器をたまに自動洗浄するよりも、エアコン内部全てを綺麗にしたほうが吐き出す風は綺麗です。

さらに、掃除機能にこだわって30万円以上の上位機種を選ぶよりも、10年使用した場合の総コストも安くなりますよ。

エアコンは、売り場に必ず「省エネ性能・省エネ達成率・年間電気代目安」の表示が、必ず売り場にあります。しかし結論として、選び方で省エネ性能は最重要視すべきではありません。

なぜなら、年間電気代はほぼ各メーカー横並びで、

・本体が安くて電気代が多少高いか
・本体が高くて電気代が多少安いか

この、先に安くするか・後で安くするかの違いしかないためです。

実際に電気代と本体価格の例をあげて解説します。

• 14畳用のリビングエアコンの場合
  
  上位機種　年間電気代 28,000円前後
  下位機種　年間電気代 42,000円前後
  
  結論：年間の差額が14,000円前後で10年で14万円の差額が生まれる
  
  ➡︎しかし、14万円以上本体価格が高いと結局高くなる！
  
  当社調べ：2022年発売機種のデータより
  ※適用畳数が小さくなると差額も小さくなります

エアコンの本体価格は、電気代の差額よりも高額な場合もあるため、省エネ性能のみで比較するのは合理的ではありません。

よって省エネも気にするなら、本体コストに納得できるかが購入の分岐点です。

そしてそもそも、上位機種になるほど電気代は下がるため、省エネ性能より求める機能で機種を絞り込むべきです。

電気代高騰と家計の負担増が叫ばれる昨今、少しでも電気代を安くしたいですよね。

そのためには、室温を快適に保つ工夫が必要になります。

エアコンの電気代は、「設定温度」と「屋外温度」の差が大きいほど高いです。要するに、より暑い日・寒い日ほど電気代が上がります。これは、夏なら排熱の電力・冬なら部屋を温める電力をそれぞれ大きく消費するためです。

• 夏場にできる工夫
  
  ・早朝の涼しい時間に冷たい空気を部屋に入れて、日中は熱気が入らないよう窓を締め切る
  ・カーテンや雨戸を閉めて断熱してエアコンを使う
  ・室外機の効率劣化を防ぐために日影を作る
  ・サーキュレーターで空気をうまく循環させる
  
  
• 冬場にできる工夫
  
  ・日中はカーテンを開けて日光で部屋を温める
  ・冷気が入る時間は窓を開けない
  ・雨戸を閉めて断熱してエアコンを使う
  ・サーキュレーターで天井付近に貯まる暖気を循環させる

家の環境によって行える工夫は違うものの、「断熱」を考えて環境を整えると電気代の節約に繋がります。

意外と忘れがちな要素ですが、エアコンは綺麗な状態で運転をした方が効きがよく結果的に省エネになります。「お手入れの楽さ」については1つ前に紹介しましたが、実は省エネにエアコンを利用する上でも重要な項目になります。

種類が多すぎてうんざりしている方のためにチェックすべき機能に優先順位をつけました

エアコン選びで非常に困るのがこの先進的な機能をどうするのか？というところです。似たような機能を各社独自の名称で展開していたり、本当に使うのかわからない機能だったりと、ここまできてわからなくなり最後に「なんとなく」で選んでしまう人も少なくないです。

そこで、アンケート結果をみて、独自に

• 分類①チェック推奨！満足者多数の機能
  ・利用者の3人に1人以上があってよかったと思っている
• 分類②人によりけり？使う方にとっては満足度の高い機能
  ・利用者の3人に1人以上があってよかったと思っている
  が
  ・利用者の3人に1人以上が不必要だと思っている
• 分類③優先順位低め。満足度低めの機能
  ・あってよかったと思っているのが、利用者の3人に1人未満
  

に分類しました。まずアンケート結果は以下です。

エアコンの空気清浄機能はおすすめの機能です。効果は空気清浄機と同じで、ホコリ・ウイルス・花粉・有害物質・アレルゲンなどに対応しています。

仕組みは3パターンあり、

• フィルター集じん除去｜空気清浄機と同じ方式で気流で空気中の物質を集じん
• イオン放出で無効化｜ナノイーやプラズマクラスター
• 電気集じん方式｜静電気の力で部屋の埃や物質を集じん

この上記のいずれか、あるいは複合的に採用した仕組みで空気清浄します。

この時に必ずチェックしたいのは、「空気清浄フィルターの有無」です。メーカーにもよりますが、早いと2・3年でフィルターの買い替えが必要になります。

（パナソニックの空気清浄フィルターが2年交換、ダイキンの抗ウイルスフィルターが3年交換など）

逆に、東芝のように電気集塵方式のみで空気清浄する機種は、空気清浄フィルターの概念自体なく、取り替えの手間の面ではとてもおすすめです。

上記「空気清浄機能」に近い話になりますが、除菌機能もおすすめです。ちなみに、除菌機能は「内部除菌」「室内の除菌」に分かれます。

• 内部除菌｜エアコン本体内を除菌し、菌やウイルスの繁殖を抑制する
• 室内の除菌｜ナノイーなどのイオンを放出し菌やウイルスの繁殖を抑制する

特におすすめなのは「内部除菌機能」です。室内の除菌はイオン搭載の空気清浄機で後から対策できますが、エアコンの内部除菌はそうは行かないためです。

もっとも、内部除菌自体はエアコンクリーニングでも対応できます。比較的上位機種に搭載される機能のため、予算との兼ね合いで選びましょう。

エアコンの除湿(ドライ)機能はほぼどの機種にも搭載されています。しかし、除湿方式が2通りあり、効果や電気代が変わるのは知らない人もいますよね。

• ただの除湿
  
  「弱冷房除湿」とも呼ばれる普通の除湿。温度が下がると空気中の水分量上限が下がることから、部屋の温度を下げることで除湿をする。
  ・部屋が寒くなる
  ・電気代が安い
  
  
• 再熱除湿
  
  空気中の水分量を下げるために冷やした空気を、ヒーターで温めてから室内に排出する。
  ・部屋が寒くならない
  ・ヒーターを使う分電気代がかかる

今お使いの機種がどちらに対応しているかは、リモコンを見れば判別できます。

「除湿」モードが1つの場合は、ほぼ普通の「弱冷房除湿」のみに対応です。除湿モードの切り替えがあればどちらにも対応と判断できます。

もっとも、東芝などは高級機種でも再熱除湿は採用しない傾向があります。

エアコンの加湿機能といえば、ダイキンの「うるるとさらら」を連想する人が多いのではないでしょうか。実は最近では、パナソニックもフラグシップモデルにて加湿運転に対応しています。

• エアコンの加湿機能とは
  
  外気中の水分を取り込み室内で加湿する機能。加湿量は外気中の水分量に左右される。

冬場に嬉しい加湿機能と思われがちですが、外気も乾燥する真冬では空気中の水分量が確保できず、加湿効果が感じにくい場合がある点は、購入前に留意しなければなりません。

真冬のメインの加湿利用というよりも、補助機能と捉えて利用するのがおすすめです。

ちなみに、加湿機能付き機種はほぼフラッグシップ機種のみのため、高額になる傾向があります。お住まいの地域の天候や外気温を考えて、どの程度加湿効果がありそうかを検討し購入に値するか決めてください。

タイマー機能はどんな機種にもついていますが、モデルのランクによって若干内容が変わります。

• 入り・切りタイマー
  今の時点での時刻を基準にタイマーを予約する。毎回設定が必要。
• 時刻予約タイマー
  1日のうちで入り・切り運転を時刻で直接で予約。設定は記憶可能。

単純な入り・切りタイマーはエントリーモデルに多く採用されています。ミドルクラス以上の機種なら時刻で直接予約できるものが多いです。

コスパとは払った費用 (=コスト)に対する、性能(=パフォーマンス)のことで、人によって求める性能が違うため、一概にコスパがいいエアコンを紹介することは難しいです。

ジェネリック家電とは、大手一流メーカーの「一昔前の技術を流用した後発品」のことで、「ジェネリック家電」あるいは「格安家電」のように呼ばれます。

エアコンジャンルでは、

• アイリスオーヤマ
• ハイセンス
• マクスゼン(ポータブルクーラーのみ)

このようなメーカー製品が該当し、価格も一際安い傾向があります。

肝心の機能ですが、ジェネリックだからと言って冷暖房能力が劣ることもなく、電気代も製品ランク相応です。決して商品として悪いわけではありません。

最新機能はないものの、エアコンは目新しい技術革新があるジャンルではないため、ジェネリックメーカーであっても十分に選択肢となります。

エアコンを安く買える時期は年に2回あります。

1. 10〜2月の新製品発売時期
2. 7月繁忙期の型落ち直前のボーナス商戦

もっともおすすめなのは①の新製品発売頃の型落ち狙いです。在庫限りになるものの、新製品とほぼ性能は同じで価格が2/3〜半額と、とても「おいしい商品」に出会えます。

しかし、現実には7・8月に買い換える人が多いです。理由は、エアコンは夏が一番故障しやすいため。困ったことに夏の繁忙期はエアコン工事が忙しく、一ヶ月待たされる場合もザラにあります。

結論｜故障がなくても10年を目安に10〜2月に型落ち機種を狙うべき！

適当にメーカーを選択して後悔したくない。

そんな風に思う方も多いはずです。実際にエアコンを購入した方々はメーカーについてどのように感じているのでしょうか？先輩購入者にアンケートを取ってみました。その結果が以下です。

しっかり冷えてしっかり暖まる！日本が誇る空調メーカー

「エアコンといえばダイキン」とメーカー指名で購入される方が珍しくないほど、多くの支持を集めるダイキン工業。実は家電メーカーではなく空調メーカーです。筆者は経験上、工事業者からでさえ「性能で間違いないのはダイキン」とお墨付きをもらっています。

加湿機能やストリーマなど特筆すべき点はいろいろありますが、一番は基本性能の高さ。37℃を超えるような猛暑日でもしっかり冷えるのがポイントです。冷えるのは当然のように思いますが、猛暑日で室外機温度が40℃を超えると冷えが悪くなるメーカーが実はたくさんあります。

一点、室外機が大きく重く配管も太いため、工事が大変な点のみ注意が必要です。購入時はエアコンの穴の写真も撮影しておいて、あらかじめ取り付けがスムーズに行えそうか確認するのをおすすめします。

お掃除ロボットの性能がピカイチ！

総合家電メーカーでユーザー目線の電化製品を作り続けているパナソニック。ルームエアコン(家庭用エアコン)では堂々のシェア1位を誇ります。ダイキンと同じく基本性能が高く、真夏の37℃越えの日でも性能劣化せずしっかりお部屋を冷やします。

基本性能以外に特筆すべきは、パナソニックが多数特許をもつ「フィルターお掃除ロボット」で、掃除機をエアコンに合体させたような構造はパナソニックのみ。埃除去性能が非常に高く冷暖房効率の劣化を防ぎます。

また、ナノイーイオンを搭載しており有害物質やカビの抑制効果もあり。上位機種は換気機能や加湿機能も搭載で、最先端技術で空調を快適にしたい方に選ばれています。

ムーブアイが快適かつかしこく節約！

三菱電機の「霧ヶ峰」はエアコンの中でシェア3位と人気があります。気流を快適にしつつ節約もできる「ムーブアイ」が年々進化しており、最近ではAI搭載が上位モデルでは標準となりました。人の体感温度をセンジングし快適な温度となるよう気流を調整するため、過剰に風を出すこともなく省エネです。

また三菱電機のエアコンは、エアコンクリーニングを依頼する際にトラブルが少ないのも特筆すべき点。パーツが頑丈で分解しやく、メンテナンスまで考えらえた設計をしています。

さらに、パーツが頑丈なため故障が少なく寿命が長い傾向があるのも、三菱エアコンの魅力。実際の売り場ではあまり値引きの対象とはならないものの、「いい1台を長く使いたい」とお考えの方におすすめです。

手動でのメンテナンスを減らす工夫が満載！

白物家電でおなじみ日立製作所のエアコンの魅力は、「凍結洗浄」での自動内部洗浄です。凍結洗浄とは、熱交換器内部を低温で凍結し付着した霜を暖めて洗い流す技術。各メーカー同等の技術はあるものの、日立の特筆すべき点は「熱交換器・排水トレー・室外機」の3点を自動洗浄※する点です。

特に室外機の自動洗浄は日立が特許を取得しており、まさしく日立ならではの技術。室外機はエアコンの心臓部のため、ここのメンテナンスを自動にするのも理にかなっています。

また2022年モデルには、「ファンお掃除ロボ」というシロッコファンの自動掃除機能が搭載されました。シロッコファンとは、吹き出しを覗き込むと見える、回転するファン。ここのお掃除は特に苦慮する部分なため、特に嬉しい機能です。手動メンテナンスを少しでも減らす工夫が多く、実用的なエアコンですよ。

※一部上位機種のみです

本格空気清浄機＆プラズマクラスターが嬉しい！

シャープのエアコンは空気清浄機能とプラズマクラスターの効果を求める方に支持されています。最上位モデルのN-Pシリーズには、まるで空気清浄機のような、分厚い蛇腹状の集塵・脱臭フィルターが通常のエアフィルターの下に設置されており、ここで空気中の菌やアレルゲン・有害物質や花粉などを捕捉します。

この方式はまさしく空気清浄機そのもので、能力は疑う余地がありません。ちなみに集塵・脱臭フィルターのメンテナンスは、年に2回掃除機で吸うだけ。夏冬稼働前に1回ずつで済むのも嬉しいです。

また、シャープのエアコンは全メーカー中で一番見た目がかっこいいとも評判です。そのため最上位モデルを指名で購入される方が多いのも特徴。見た目＆空気清浄能力がポイントと、在宅時間が増えたこの時代に合ったエアコンですよ。

エントリーモデルを安く手に入れたいならおすすめ！

東芝エアコンは人気機種が「とにかく価格の安い機種」と「空気清浄機能ありの上位機種」に二分されています。よりお求めの方が多いのはやはり「とにかく安い機種」で、東芝はもともとメーカーとして値引きが大きく、安いエアコンの候補に上がりやすいです。　

安いから性能が悪いのでは？と不安になる方もいますが、格安のエントリーモデルは搭載機能も少なく、正直に申し上げるとメーカーによる差は感じられません。そのため、とにかく初期費用を抑えたい場合にぴったり。

また最上位機種は空気清浄機のみでも稼働するため、夏冬のみならず1年中利用できます。さらに、熱交換器の上方には除菌UV照射ユニットを搭載しているため、内部の除菌効果を期待する方にもおすすめです。

隠れた名品！安くてパワフルをお探しなら富士通

エアコンで「富士通」というと、ダイキンやパナソニックといった大手メーカーに知名度で劣るため「大丈夫？」と感じる方もいますよね。実は富士通ゼネラルはエアコンや脱臭器の生産に歴史があり、安くていい商品をたくさん作っています。

特にしっかり冷えてしっかり温まるパワフルな基本性能のよさが特徴。また最上位機種は空気清浄機能ついていながら値下げ幅が大きく、お得に手に入れやすいメリットがあります。

反面、パワフルすぎるがゆえに、静音性には劣ると感じる方がいるのも事実。しかしそれ以外に欠点らしい欠点もないため、シンプルでパワフルで安いエアコンをお探しの方におすすめです。

寒さが厳しい北海道などの地域のために、寒冷地仕様のエアコンが開発されています。通常のエアコンより強力なコンプレッサーを搭載していたり室外機に凍結対策がされていたりなど、パワフルな機能で室内を温めてくれます。

エアコンの機能でも「使う人」「使わない人」が大きく分かれるのがこれです。

基本的に不要なら不要で困る機能でもないため、本当に必要・あるいはなしでいいかどうかの最終確認として、目をお通しください。

最近のエアコンにはスマートフォンアプリを公開しているものもあります。各メーカーのミドルランク以上の機種に搭載されている場合が多く、アプリで以下のようなことが可能です。

• 外出先からの電源オンオフ操作
• 電気代の確認
• 気流の向きや風力強弱の操作

この機能は、スマートフォンを使いこなしている方は重宝します。しかし、エアコン操作はリモコンで！と思うなら無用の機能です。

• 利用シーンの提案
  
  リビングで過ごしているときに、少し遠くにあるリモコンを取りに立ち上がりたくないときに、手元で温度や風量操作　など

エアコンの脱臭機能はほぼ空気清浄機能とセットです。そのため、脱臭機能単体でエアコン選びの基準にするほど、優先度は高くありません。

脱臭方法としては、

• フィルターで脱臭
• イオンで匂いの原因を抑制
• 電気(プラズマやストリーマ)の力でニオイの原因菌を抑制

この3つの方式で、それ自体も空気清浄機と同じです。

空気清浄機能を選んだら、脱臭もセットでついてくるとの考え方をおすすめします。

イオン機能も特に「ナノイーが絶対欲しい」「プラズマクラスターで脱臭したい」などのこだわりがないなら、後回しにしても構わない機能です。

エアコンは空気清浄機とは違い、時間帯や季節によって使わなくなる電化製品です。そのため、イオン濃度を1年中一定に保つことも難しいですよね。

ないよりはあったほうがいい、レベルでチェックするのをおすすめします。

換気機能はダイキンの機種とパナソニックの一部機種などに搭載されています。しかし換気機能もそこまで重要視する必要はありません。

そもそも日本の住宅は、2003年7月以降に建てられたすべての物件で「24時間換気」が義務付けられています。要するに、エアコンで換気をしなくとも、住宅の仕組みですでに24時間換気をしています。これが換気機能は後回しで構わない理由です。

センサー機能は「人感センサー、床温度センサー、日射センサー、温冷感センサー、人・ものセンサー」などさまざまあります。しかし、結局どの機種を選んでも快適に過ごせるため、そこまでセンサーを重視する必要はありません。

ただし、エアコンにオートオフ(自動オフ)機能を求める場合は、話が変わってきます。消し忘れ対策でオートオフ機能を使用したいなら、人感センサー付きの機種を選んでください。

気流制御機能も、センサーとAI機能に関連する機能です。センジングによって人間や家具や壁などを見分け、AIで最適な気流となるよう制御する機能ですが、繰り返すようにこの機能もなくてもお部屋で快適に過ごせます。

たとえば、一箇所にとどまらず頻繁に動き回れば気流制御の恩恵は受けにくく、逆に一箇所に止まるなら手動で風向を変更できます。

この理由から、センサー＋AI自動運転で気流制御をする必要性は低いと結論付けます。

AI自動運転機能もエアコンではそれほど重視する必要はありません。そもそもAI運転とは、上記センサー機能で測定した結果に沿って、自動で最適な運転に切り替える機能ですが、AI自動運転がなくとも、エアコン自体の性能で部屋の中では快適に過ごせます。

AIだからすごい！と体感で感じるのは難しいため、優先順位としては後回しで構いません。

スマートスピーカー対応機能は、今すでにAmazonEchoといったスマートスピーカーをお持ちの場合、あるいは導入予定の方しか使いません。しかし、スマートスピーカーを今現状利用中なら、「絶対に欲しい機能」ですよね。

もしも、すでにスマートホーム構築済みで、エアコンもスマートホームに組み込みたい場合、スマートスピーカー対応がなければ家電リモコン(スマートリモコン)への登録が必要です。

家電リモコン利用もいいですが、実際のリモコンのように操作できない項目がある、スマホアプリが増えてしまう、と弊害もあります。そのため、今すでにスマートスピーカーを利用中なら、エアコンも対応は必須としてください。

音声ガイド機能も、人によって好みが大きく変わる機能です。特に、今まで電化製品において「音声ガイドを使ったことがない」場合は、必要性が感じられませんよね。

不要なら無理に選ぶ必要はありませんが、掃除機・冷蔵庫・レンジ・洗濯機などで音声ガイドを経験しているなら、エアコンの音声機能も一行の余地ありです。

• 「○○℃ で 運転を開始します」

のように、音声でお知らせをするため、「今どんな操作をしたのか」確認ができていいとの声もあります。

エアコンのデザインは基本的に白で、どれも似通った形をしています。デザインで差別化するのは難しいため、そこまでデザインを重要視する必要はありません。

しかし、こだわった新築リビングで「いかにもエアコン」なボディを設置したくない場合もありますよね。

それなら、ダイキンのrisora（リソラ）シリーズがおすすめ。全面パネルの色を全43色から選べます。気になる場合は以下からご覧ください。

エアコンで暖房運転をしているのに温まらない場合、理由は以下が考えられます。

• 内部乾燥・内部クリーン・霜取り運転中で温風が出ていない
• 室外機の周りに埃が溜まっていて暖房効率が落ちている
• 外気温が低すぎるのに家の断熱性能が低くてエアコンの暖房が追いつかない

これ以外の場合は故障の可能性があります。

消費電力の高さで有名なエアコン。選び方内でも少し触れましたが、ここでは寒い冬でも快適に過ごせる暖房の効果的な使い方を具体的にご紹介します。

• エアコンの風向きは下に
• サーキュレーターや扇風機をエアコンの反対側に置いて風向きは上に
• 設定温度を高くしすぎず、風量は自動
• スイッチのオン・オフを切り替えすぎない
• 冷気の入る隙間を閉ざすためにカーテンで窓全体を覆う
• 室外機が直置きの場合は、壁から少しななめに傾ける
• フィルターや本体の清掃はこまめに

以上のポイントに気をつけるだけでも暖房の機能をより効果的に使えます。

環境省が推奨している設定温度は20℃です。寒さに負けてついつい温度を高くしてしまうものですが、設定温度を1℃下げるだけでも約10%分の消費電力を削減でき、CO2の削減にも繋がります。暖房の設定温度を工夫すれば、電気代を節約しながら地球温暖化の防止にも効果があります。

上記の使い方を実践すれば、20℃でも十分な暖房効果が期待できるので、ぜひ試してください。また、下記記事でもエアコンの電気代の節約術や計算方法をご紹介していますので、興味のある方は是非ご覧ください。

冷房も暖房も1台ででき、メリットの多いエアコン。近年の機種はとても性能がよく、省エネも期待できるなどメリットが多くあります。この記事を参考に、寒い季節もエアコンの暖房を活用して快適に過ごしましょう。